最終18番、6メートルのウィニングパットがカップに吸い込まれた瞬間。
その笑顔は、5年越しの涙とともに弾けた――。
2025年7月13日、北海道・真駒内カントリークラブ空沼コース。
【ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ】最終日。
地元・南幌町出身の内田ことこ(22歳)が、通算16アンダーでツアー初優勝を飾りました。しかも、初日から首位を守り抜く完全優勝(完全V)という快挙。この偉業を4日間で成し遂げたのは、実に15年ぶり、史上5人目です。
スタートホールから“物語”は始まっていた
物語は、1番ホールから動き出していました。
グリーン奥15ヤード、決して易しくないアプローチ――。
けれど内田は、迷いなく放ったボールをカップへと吸い込ませ、チップインバーディー。
まるで物語のプロローグのような1打でした。
その後も安定したショットを積み重ね、最終18番を迎えた時点で2位と5打差。
残るは「勝ちを締めくくるためのエピローグ」だけ。
最後の6メートルと、迷いを断ち切った涙
迎えた最終18番。
2打目をピン手前6メートルにつけると、彼女はこう思ったそうです。
「ちょっと薄く当たった。でも乗っててよかった。できれば、バーディーで上がりたいなって」
そして、誰もが息をのむ中――
その6メートルを見事にカップイン。
バーディーフィニッシュ。
大歓声に包まれ、仲間のもとに駆け寄った瞬間、内田の目には涙が浮かんでいました。
“自信がない”から、“信じて振る”へ
じつはこの優勝、2週連続予選落ちという不安の中で迎えた地元大会。
「調子は悪くなかった。でも考えすぎていた。今回は“決めたら振る”を徹底しました」
キャディの島中大輔氏との二人三脚。
「スコアボードを見ない」という決断。
自分と向き合い、“信じて振る”ゴルフが実を結びました。
北海道の風が押した背中|地元の声援
会場には、家族や地元の友人たち、そして「なんぽろ内田ことこプロを応援する会」のメンバーまで。
なんと、今年の新年会には34人の会員が集い、初優勝を願っていたそうです。
「自宅から1時間かけて通いました。のどかで静かで、ご飯もおいしい町。そんな地元で、優勝できたことがうれしい」
愛犬「マル」「サボ」との生活、ワンピースから名付けた名前――
内田の“日常”が、優勝という“非日常”を引き寄せたのかもしれません。
圧巻の完全優勝|ツアーの未来へ
- 最終日スコア:69(6バーディ・3ボギー)
- 通算スコア:-16(初日から首位キープ)
- 優勝賞金:1,800万円
- 観衆:2,558人
2位タイ(-10):仲村果乃、泉田琴菜、山城奈々
5位(-9):ウー・チャイェン
6位(-8):政田夢乃
7位T(-6):佐久間朱莉、小祝さくら、長澤愛羅(アマ)など
【優勝直後Q&A】内田ことこがファンの質問に回答!動画
📺 ▶︎ 内田ことこインタビュー
りなちゃんコメント🌸

「ことこちゃん、やったね!!
あの6mのウイニングパット、見てて鳥肌立ったよ!
地元で初優勝とか、もうドラマすぎる…!
私ももっと練習がんばろって思った!
ほんとに、おめでとうございますっ💕」
✨編集後記|これから始まる、新たな航海
内田ことこ、22歳。
彼女の物語は、“完全V”という最高の形で序章を終えました。
「シーズンはまだ半分。次は2勝目を目指して」
迷いを断ち切った涙の先に、さらなるドラマが待っている予感。
この夏、ツアーの主役がまた一人、誕生しました。
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